トゥリマカ日誌(仮)

ジャカルタ暮らしの知恵、観光、グルメ、ファッション、カルチャー、子育てのこといろいろ。比較、体験、レポートします。

インドネシア⇒日本 入国覚書

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マスクをつけよう! byジョコウィさん

ITASの更新がスケジュール通り無事終わり、日本人学校の登校再開も延期になったことから、日本に再度一時帰国しています。

掲示板ではこの状況のなか子連れで感染国であるインドネシアに入国することや、ITAS更新のためだけにジャカルタ入りすることについて是非があるようだが、この緊急事態下におけるわが家の最優先事項は「家族でいること」。最悪夫の就労ビザだけ延ばせればよかったんだけど、夫だけインドネシアに戻すという頭は一切なかったので、子どもには負担かもしれないが家族で動くことを優先した。幸い、うちの自治体では感染症対策のための自宅学習は欠席扱いにならないのも助かっている。

さて、前置きが長くなったが日本への入国について残しておきたい。結論から言うと、入国まで7時間もかかり、かなり大変だった。こんなひどいと思ってなくて、なにも準備していなかったし、ちゃんと時間などをメモしてなかったのが悔やまれる。覚えている範囲で書きます。

・・・

8月某日、日本入国

利用したのは、CGK 21:55 ― NRT 07:25 のJAL便。意外と混んでいて、中央の4列席を利用したが前後に客あり。左隣の2列席は空き、右の2列席には客あり、といった感じ。日本人は少数で、乗継と思われるインドネシア人や欧米人が多かった。

機内で健康調査票が配られ、記入。滞在地域、入国後の住所、便名やパスポート番号などのほかに、健康状態を問うもの。

・成田空港に着陸

定刻通りの0725、成田空港に着陸。乗継客が降ろされ、それ以外は待機と告げられた。7時台の成田は着陸便が多い(あとで見たらヘルシンキなど4便あった)ということで、ジャカルタ便はその中で最後の対応になるということだった。30分ほどして、クルーも降りるので以降は地上係員に従うようにと放送が入る。「先にすみません」と、CAさんから挨拶とともにペットボトルの水が配られた。しばらくJALのCMが流れていた端末も再度利用可能になり、仕方なく映画をつけた。

・第一の待機(PCR検査待ち)

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※撮影禁止の貼紙に遭遇する前の写真なのでセーフ扱い

1時間以上経ったところで、対応の準備が整ったことを伝えられ、飛行機を降りた。降りてすぐパイプ椅子が並んだ通路に通され、番号の書かれたパイプ椅子に降りた順に座るよう指示。「お客様同士のトラブル防止のため」撮影禁止との貼り紙があった。客のせいにしてさ、絶対対応悪いことをわかってるんだ。口封じだよ、今思えば。

そこで1時間ほど待たされただろうか。4人ずつ呼ばれ、次の部屋へ移動。その間、トイレに行く人もちらほら。赤ちゃん連れが数組おり、泣き声もたびたび。パイプ椅子がびっしり並ぶなかあまり席を立ってうろつける状況でもなく、親は苦労してそうだった。

PCR検査キットで唾液を採取

パイプ椅子を立ち誘導された先には行列が見えた。健康調査票の確認のあと、ソーシャルディスタンシングもなにもなく、並ばされる。ひとりずつ進んで、検査キットを受け取る列だった。名前を確認され検査キット(試験管のような容器)を受け取り、軽く仕切られたブースへ。再度名前の確認をされ漏斗を受け取る。検査キットに漏斗をはめ、ブース内で壁に向かって立ち、唾液を1ml出す。これが意外と難しい。直前まで爆睡していた子どもがこの作業に難儀し、ちょっと時間がかかった。朝イチの唾液検査、わりとたいへん。列に並んでる時点で口の中に唾液をためておくとよさそうだ。Twitterでちょっとバズっていたようだが(撮影禁止じゃなかったんか…)、この壁には梅干しとレモンの写真が貼ってあった。終えたら漏斗を捨て、規定量入ってるか確認され、蓋をして試験管立てにキットをおさめたら終了。次へ進めと促される。

・第二の待機(検疫待ち)

次の待機場所(といっても何もない通路)に出ると、別の飛行機の乗客と思われる人々といっしょになり、嫌な予感がする。ここで、ハイヤーの運転手から空港についたとの電話があった。この時点で10時半。いよいよトイレに行きたくなり、係員に告げてトイレへ。そのとき、まだ先に待機が続くのを見て絶望した。

・検疫

そこでまた1時間ほど待っただろうか。また順に声がかかり、つぎの待機場所へ移動するよう伝えられた。そこでさらに1時間。また4組ずつ声がかかり、検疫。書類をチェックされながら、入国後の住所や移動手段、連絡先の確認があり、2週間の待機が必要なことや、1週間後に保健所から健康確認があることなどの説明を受ける。そこで、「PCR検査の結果まであと1時間以上かかりますのでお待ちください」と言われる。今までお待ちくださいの一言もなくただ待たされていたが、まだ待つのかとガックリ。

・第三の待機(PCR検査結果待ち)

また番号の書かれたパイプ椅子に案内された。さっきまでずっと泣いていた赤ちゃんは、もう寝ていた。この時点で12時をとっくに過ぎており、さすがにおなかがすく。飛行機でもらった朝食のパンをかじり、水を飲む。カバンに一冊本を入れていたのだが、そのころには読み終えてしまっていた。スマホの電池も切れた。

1時間以上経ち、やっと声がかかる。検査結果を知らせるブースに案内され、一組ずつ順番に入り、結果を受け取った。あまりに疲れていて、陰性の文字を見てもホッとも何もしなかった。無。

・入国審査、荷物受取、税関

そこからは通常通り入国審査を受け、荷物を受け取り、税関を通って終了。なんと14時半。飛行機に7時間半乗って、空港にも7時間いたらしい。待たせていたハイヤーに乗り帰路についた。

・・・

感染リスクのあるなか、係員さん一人ひとりは真摯に対応されていたと思う。でも、ひどすぎる。人の時間をなんだと思ってるのだろう。なんの説明もなく7時間も待たせるなんて。チェックポイント各々、一組ずつの対応ってのがまず終わってる。待機場所には人間団子になっているのに、その間の移動の通路に誰もいないのよ。一組ずつ時間がかかってるわけ。あれだけの乗客がいたらもっと前後に列になって移動してもいいと思うんだけど(ジャカルタはそうだった)、前にも後ろにも人がいない不安。ああ、また時間かかるんだろうなっていう。

それから、先に何回か登場させた赤ちゃんたち。インドネシアだったら、家族連れは優先される。7時間も、子どもも親も耐えられるわけないじゃん。成人であるわたしだって辛かった。赤ちゃんはずっと泣いていた。お母さんひとりの方もいた。本当に大変だったろうと思う。みんな長い待ち時間にイライラしていて、赤ちゃんが泣くたびピリっともした。子どもがいて理解はある方なわたしだって、赤ちゃんの泣き声はそう聞きたいものではない。彼らを優先することで、親子だけでなくまわりも救われるのに。本当にひどい。なんで先に降ろしてあげなかったのか。コロナ対策とかいって、待機場所のトイレもほとんど閉鎖されており、赤ちゃんとはいえ二人でひとつのパイプ椅子で、授乳やミルクづくり、おむつ替えなども苦労されたことだろう。

インドネシアの入国がスムーズだっただけに、この日本の体制のひどさには閉口。入国審査のとき、列整理のおじさんいるじゃない、検査の一連終わって入国審査になったとき、彼らの人数の多さに笑っちゃったよね。急にもてなされて。検査の一連はさ、係員ほぼ外国人でさ、待機場所につき一人しかいないんだよ。陰性の紙もらった途端たくさんの日本人係員見て、本当クソだなって改めて思ったよ(何度も言うけど係員のみなさまはがんばっておられたと思います)。

これから入国のみなさんはスムーズに行きますように! 念のため、水分・食料・暇つぶしツールはしっかりお持ちください!