ジャカルタには「レジェンド」と呼ばれる店がいくつかある。いわゆる「老舗」で、人気の観光地のひとつとなっている。
今回は数あるジャカルタのレジェンドから、アイス屋さんをピックアップしてみました。長く愛されてきたからこその味、店構え、ぜひ楽しんでみては。
Ragusa Es Italia
1932年創業。モナスの北東、イスティクラルモスクの脇にあるアイスクリーム屋さん。
バタビア(現ジャカルタ)へ縫製を学びに来たイタリア人のRagusa兄弟が、縫製学校卒業後訪れたバンドンの牧場で新鮮な牛乳と出合い、はじめたお店なのだそう。ジャカルタへは1937年から年に一回パサールガンビル(現ジャカルタフェア)にて出店していたが、1947年に本格進出、最盛期には20店舗を拡げるまでになったとか。しかし1998年の暴動にてほぼすべての店が焼失。その後も閉店がすすみ、現在はこの本店を残すのみ。
フレッシュなミルクをつかうことにこだわっているというアイスは、コクがあるのにキレがよく、とてもさわやか。軽くて、いくらでも食べられそう。ナッツやドライフルーツがたっぷりかかったレトロな見た目もかわいくて、オススメ。行列覚悟で行ってくださいね。
ひきつづきジャカルタのレジェンド巡り。ジャカルタ最古のアイスやさんのひとつというRagusa Es Italiaへ。スパゲッティアイス40k、レトロな見た目がかわいい! 目の前でニュルーと絞ってくれた。新鮮なミルクにこだわりありとのこと、すごく軽くてコクがあるのにスッキリ。いくらでも食べられそう。 pic.twitter.com/vUhDcK8y3J
— nariyuki@jakarta (@nariyukiJKT) 2022年6月29日
Tjanang Ice Cream
1951年創業。1940年代に、オランダの商品をあつかう食料品店を営む兄を手伝うため中国からバタビアへ来たというLie Sim Fie氏がはじめたアイスクリーム屋さん。彼はかき氷にファンタと牛乳をシロップのようにかけたものを好んで食べていたそうで、これがアイスづくりにつながっていったとか。スカルノ元大統領もよくここのアイスを食べていたそう。
現在お店があった場所はHotel Cikiniとなり、そこにポツンとアイスの入った冷凍庫が残されているのみ。Hotel Cikiniのフロントに声をかけることで買うことができます。いまは娘のYenieさんが事業を継いでいるのだけど、結構なお歳らしく、今後がちょっと心配なお店。
厳選された食材を使用してつくるというKopyor(ココナッツ)味とDurian味が代表作。Kopyorはシャクシャクとした食感で、ココナッツのよい香りとほのかな甘みが自然でおいしい。ドリアン味は個人的にあまり好まず……食べたことはありません。
本日のレジェンド、Tjanang Ice Cream。店はなくなり、跡地に立ったHotel Cikiniに冷凍庫だけがポツンと残っている。フロントに声をかけてアイスを出してもらうのだけど、チキニ散歩で必ず寄るのでここ毎日来ておりちょっと恥ずかしい。写真はNougat、イチオシはKopyor。スカルノ氏も愛した味だとか。 pic.twitter.com/O3RRLvaOEy
— nariyuki@jakarta (@nariyukiJKT) 2022年7月5日
Ice Cream Baltic
1939年創業。ここは創業時のエピソードが見つからないのだけど、Tjanangが「強いて言えばライバル」というお店。あっちがパンダなら、こっちはクマ。 創業当時はgedonganと呼ばれるミドル〜ハイクラスの客に向け営業していたよう。ほかの2店舗とおなじく、無添加とフレッシュな素材をつかうことにこだわりがあるそう。
ただほかの2店舗とことなるのは、現代化しているというところ。デザインも時代に合わせ変化させることで、大手メーカーのアイスにも引けをとらないとか……ってそうかなあ?笑。十分レトロな感じだけど!(ほめてる)
味のバリエーションも豊富。ペパーミントやラムレーズン、バニラオレオなどモダンなフレーバーがそろっている。
Tjanang Ice Creamのライバル?らしいIce Cream Baltic。時代とともにデザインを変えてきた…とのことだけど、まあまあ古くさい(ほめてる)。なんだかなつかしい味。これでジャカルタレジェンドアイスは制覇したぞー🙌 pic.twitter.com/yKA8Dx9CEg
— nariyuki@jakarta (@nariyukiJKT) 2022年7月5日
番外編: La Casa Ice Cream Zangrandi
1930年創業。イタリア人のZangrandi家がスラバヤではじめたアイスクリーム屋さん。「番外編」としたのは、スラバヤのレジェンドだから。しかしその味をジャカルタでも食べることができるのです。1960年にはZangrandi家は事業をTanumulia氏に売却しているものの、いまも創業時の味を守っているそう。クラパガディン店、Old Shanghai店(まあここもクラパガディンではあるけど)、PIK店、Gandaria city mall店と、ジャカルタに数店舗あるもよう。イベント出店もよくしています。いつか本店で食べてみたい。
なんといってもここのオススメはMacedonia。アイスの上に、たっぷりの洋酒がかかったもの。ラム酒かな?なんだろう。オタマトーンのようなフォルムもかわいい。アイスの味が選べて、でも結局バニラがいちばんおいしい(個人の感想)。
ここにもスパゲティアイスあり。これも味を選べます。古い喫茶店で食べるアイスのような、レトロな風貌がたまらない。
オタマトーンみたいでかわいい!んだけど、これたぶんお酒(酒飲みなのでアルコール入ってるのか入ってないのかたまにわからないの笑)。La Casa Ice Cream ZangrandiのMacedonia、48k。味は選べて、これはバニラ。そこに、たっぷりのラム。スラバヤのレジェンドだそう。 pic.twitter.com/lssFZEd598
— nariyuki@jakarta (@nariyukiJKT) 2022年7月26日
参考:
- Ragusa Es Italia - Wikipedia bahasa Indonesia, ensiklopedia bebas
- Sejarah Ragusa, Toko Es Krim Legendaris di Jakarta yang Penuh Antrean Halaman all - Kompas.com
- Kisah Tjanang, Es Krim Langganan Bung Karno
Ice Cream Baltic Kukuh Bergelut dengan Zaman - Sejarah Zangrandi, Kedai Es Krim Legendaris Surabaya yang Tutup Sementara Waktu Halaman all - Kompas.com