トゥリマカ日誌(仮)

ジャカルタ暮らしの知恵、観光、グルメ、ファッション、カルチャー、子育てのこといろいろ。比較、体験、レポートします。

ジャカルタでパダン料理を食べる

インドネシアは広く、さまざまな地域があります。それぞれに多様な食文化があり、ひとくちに「インドネシア料理」といってもいろいろ。

しかしそんななかで「インドネシア料理といえば?強いて言うなら」と聞くと、「ナシパダン/パダン料理」と答えるインドネシア人が多くいます。日本で言う和食、とまで言えるかはわからないけど。

なるほどジャカルタにも、個人で営む食堂からチェーン店までたくさんパダン料理屋さんがあります。チェーンのパダン料理店にいたっては、ちょっとしたファミレスのよう。

道端にあるこういうパダン食堂の皿の積まれ方、いいよね。

自分もパダン料理が大好きなので、一回まとめておきます。出張者のアテンドなどにもおすすめです。

パダン料理とは

Padangはオランダ統治時代から港町として栄えたスマトラ島西スマトラ州の州都。このあたりに住むミナンカバウ族の料理が、いわゆるパダン料理と呼ばれるものです。海から山まである地域性から、肉、海鮮、野菜などを豊富なスパイスとココナッツミルクで調理するのが特徴だそう。わりとオイリーで味も濃いめ。辛いものも多い。これらのおかずをたっぷりのごはんといただきます。

レストランでは、テーブルにつくやいなや、テーブルに料理がずらりと並べられます。これがパダン料理の醍醐味。さながら自分だけの食べ放題という感じで、気分が上がります。ひとりで来てもいいし、ちょっとしたハレの日にもピッタリ。大勢でわいわい食べるのも楽しいです。(※レストランでなく食堂などだと、ショーケースなどからふつうに注文するスタイルが一般的です)

自分の皿にまずごはんを盛り、おかずを食べたいだけのせて、いただきます。手で食べてもいいし(フィンガーボウルがでる店もあります)、スプーンとフォークで食べてもよし。

テーブル上にないものやおかわりをしたい場合は、店員さんにふつうに注文すればOK。

1皿200〜300円程度なので、あまり恐れず食べて大丈夫です。お酒はなく、ひたすらごはんをもりもり食べる店です。

食べたぶんだけお会計。手を付けたお皿をみて、店員さんが集計してくれます。ひとむかし前の回転ずしの会計に近いかも。

おすすめメニュー

基本お好み次第なんだけど、やっぱりまず外せないのはRendangルンダンでしょう。牛肉のココナッツカレー煮込みといったところで、“CNNの世界一おいしい料理”にも選ばれたことのあるスター選手です。

パダン料理はおおまかにGulaiカレー類とBaladoサンバル炒めにわかれています。具は野菜、ゆでたまご、豆、魚、えび、いか、牛肉、牛もつ、牛の皮、牛の脳みそまでさまざま。Gulaiは具によってカレーの味も若干ことなり、辛さなどもちがうようです。おなじみサテも、パダンとなるとカレーがかかります。

辛いものが苦手なら、Telur Dadarオムレツ、Perkdelコロッケ、Ayam Popアヤムポップがおすすめ。アヤムポップはマリネしたチキンを素揚げ(見た目は茹で鶏に近い)したもので、ホロホロと甘く、おいしいです。これらは子どももOK。

辛いのが大丈夫なら、Terong Baladoなす唐辛子やSambal Pete Teriプテ豆としらすのサンバルなど、辛い野菜料理がまたおいしいのでぜひ。でもどうかな、ジャカルタのパダン料理は辛さひかえめなことが多いようです。見た目ほどじゃないので、一回試してみて。

野菜でいうとSayur Nangkaジャックフルーツ煮込みとかもさっぱり酸味があっておいしい。

わたしはAyam PopとDendeng Batokok/Balado(ジャーキー肉に唐辛子ソースがのったもの)がマストで、ごはんはシンコンの葉カレーといっしょに食べることが多いです。インドネシア人の知人も、具なしカレーとAyam Gorengの粉(天ぷらで言う天かすみたいなやつ)だけをわざわざ注文して、それをごはんにかけてチキンと食べてました。慣れると、好きなメニューが固定されていっちゃうんですよね。

おすすめパダンレストラン

ジャカルタにはSEDERHANA / Pagi Sore / Restoran Garudaと、3つの大きいパダンレストランチェーンがあります。みんなそれぞれ派閥があり、「うちは代々ここだよ」とか「わたしは断然パギソレ派!」などと一家言あるので、まわりのインドネシア人に聞いてみるのもおもしろいかも。ちなみにわたしはGaruda派です。

SEDERHANA

https://www.restoransederhana.id/

おそらくいちばんメジャーなパダンレストランチェーン。ジャカルタ発祥。きれいな店舗からなかなか玄人向けの店舗まで大小さまざまあります。インドネシア人の知人によると、Bendungan Hilir本店が一番おいしいとか。ほかのチェーン店に比べ味がはっきりしているので、まずはここからせめてみてほしいです。店舗もいわゆるザ・パダンなデザイン。ちなみに本店があるベンヒルは、Rumah Makan SURYAやBopet Miniなど有名店がひしめくパダンストリートとなってます。

Pagi Sore

http://www.pagisore.id/

本店はパレンバン。熱狂的?ファンが多いイメージのパダンレストランチェーン。パギソレ派は、ほかのチェーンを好まない印象があります。どの店舗も清潔感があり、上品。おもてなしにも使いやすい。味も良いです。洗練されたジャカルタっ子がたしかに好みそうな感じ。Cipete rayaなど。Kemangのはロゴが違うけど同じ系列なのかな?

Restoran Garuda

https://restorangaruda.com/

個人的にもっとも好きなチェーン。本店はメダン。味付けがマイルドで、店舗もレトロクラシカルな雰囲気です。Pondok indahやチキニにあります。ただGarudaのよさはたぶんSEDERHANAを経由しないとわからない気もするので、ぜひやっぱりSEDERHANAから行ってください笑。

ジャカルタのレジェンドパダン

さて、ジャカルタにもやはりパダン料理のレジェンドと呼ばれる店があります。チェーンの味に慣れたところで、ぜひチャレンジしてみて。

Pondok Djaja

1969年創業、ジャカルタで最も古いパダン料理店といわれています。北ジャカルタのレジェンド。

お店に入ると本日のメニューが並んでいるので、それを見ながら注文。笑顔が素敵できさくなおばちゃんがちゃきちゃきと接客してくれます。外国人とわかると英語で話しかけてくれ、観光客一人でも入りやすいお店。

料理は濃いめだけど、辛すぎず、くどくなくおいしい。味は、創業当時から変わっていないそう。看板メニューはAyam Goreng。骨まで食べられるって。

R.M. Sepakat

Blok MとPasar Mayestikにある、Pondok Djajaとおなじく1969年創業、ジャカルタで最も古いパダン料理店のひとつ。こっちは南ジャカルタのレジェンド。

ジャカルタでは他であまり見られないGulai Gajeboという牛の脂肪付き塊肉カレーが有名です。メニューは少なく、ほかにルンダンや、カレーかサンバルが数品あるくらい?

みんなGulai Gajeboを食べています。ごはんは釜と薪で焚いているそうで、香りよくおいしいです。

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ジャカルタにはまだまだ紹介しきれないくらいたくさんの有名店があります。いいお店があったら、ぜひ教えてください。というか、誘ってください。ひとりで行って、いつもおなかパンパンになっちゃうから笑。